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噂 荻原浩

荻原 浩
新潮社
発売日:2006-02


「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の痛いが発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。
噂 荻原浩



妻を病気でなくし、女子高生の娘と二人暮らしの小暮刑事。
女子高生連続殺人事件が発生する。
被害者のひとりは娘の友人でもあった。

噂の発信源は広告企画会社の女社長である杖村。
彼女の斬新な戦略はWORD OF MOUTH。
ようするに「口コミ」を巧みに利用することにより
これまで見向きもされなかった商品を次々とヒット作に変えていった。

口コミの核となる商品にまつわる話を
あくまで「噂」として広めていくため
商品と絡めて印象に残るような噂話を作り出すのだ。

新ブランド、ミリエルという香水販売に企画されたのは
ニューヨークで大人気、芸能人も密かにつかっている、
そして、刺激ある噂とすべく
殺人鬼「レインマン」が追加された。
レインコートを着たレインマンは女子高生を殺し、足首を切るという。
しかし、ミリエルをつけていれば狙われないという設定だ。

渋谷の女子高生を発信源として
ミリエルのモニター会を開き
あくまでコミュニケーションの伝達調査として
ミリエルと一緒にこの噂を友達に話すよう依頼する。
予定通り、ミリエルは大ヒット。
商品を後押しする噂も女子高生の間で瞬く間に広がった。

そんな中起こった女子高生の連続殺人事件。
レインマンの噂通りに足首を切られた遺体が見つかる。
警察本部では
犯罪歴のある男を容疑者として追いかけている。
しかし、渋谷の女子高生から聞いた「噂」に気づき
「噂」を追いかけはじめる小暮と名島。
ついにレインマンとコムサイトが繋がる。

口裂け女のように
もはや誰がなんのため広まったのかわからない都市伝説。
誰も信用していない「噂」を中心に
頭の固い大人と大人を信頼しない女子高生が
徐々に距離を縮めて行く展開がおもしろかった。
名島刑事が作った噂の伝播マップ。
情報が錯綜し、
間違った人を犯人に仕立てあげる本部を横に
情報をまとめて
人に伝わる形にできる賢い名島さん。素敵。

実は、杖村さんにはSM女王という過去があり
その顧客であった大物たちを利用してのし上がったという裏話あり。
人物?職業?を蔑む設定が
荻原さんに馴染まないような気がしたけど
ありそでなさそな話でおもしろかった。

物売る会社で働く私。
口コミを利用して、販促を企画することもあるだけに
この本はフィクションであり、お話なんだとは思いつつ
杖村さんのムリのある企画?に「そう簡単に物が売れてたまるか!」とも。
売れればなんでもいいけど
口コミ戦略を完全に無視する体勢のメーカー陣営が
正攻法だけではダメだと言う経営陣とかぶってかぶって。
そこだけやけにリアルに沁み入る
私オリジナルのツボもある本でした。


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荻原浩 押入れのちよ


失業中サラリーマンの恵太が引っ越した先は、家賃3万3千円の超お得な格安アパート。しかし1日目の夜玄関脇の押入れから「出て」きたのは、自称明治39年生れの14歳、推定身長130cm後半の、かわいらしい女の子だった(表題作「押入れのちよ」)。ままならない世の中で、必死に生きざるをえない人間(と幽霊)の可笑しみや哀しみを見事に描いた、全9夜からなる傑作短編集。
荻原浩 押入れのちよ



表紙からしてちょっぴり怖い「押入れのちよ」他、
ホラーなお話がぎゅぎゅっと入っている。
なにも身構えずに「よし、また荻原さんだ」と読み始めたので
なかなか怖いことに気がつけなかったのだけど
丸きり油断でした。
結構、怖いのは怖い。あと、気味が悪い話とか。
「世にも奇妙な」のかんじ。


 ・お母さまのロシアのスープ
グリム童話とかにありそうな悲しい背景がある話。
双子の最後が衝撃的。

 ・コール
ドリカム状態の男女3人。
紅一点を射止め、結婚したが急死ししてしまった男が
幽霊となって化けて出てきて2人をまとめるという
思い残し系の幽霊。

 ・押入れのちよ
就職とか彼女とかいろいろとうまくいかない恵太くんが
引っ越した先で出会った「ちよ」は明治39年生まれの14歳。
幽霊というかその雰囲気からは座敷童の方が近い。
人相学ができちゃって幸福を呼びそうだし。
お隣の浪人生やヨマンさんなど登場人物も豊か。
短編だけど結構深いお話。「テダ・アパアパ」

 ・老猫
こ、これは気味が悪い!老猫の異色なお話。
これはもう読みたくないぞ。

 ・殺意のレシピ
ばあさんは山へキノコ狩りへ
じいさんは海へ釣りへ
ってなかんじで
夫婦ともなると
悲しいかな
考えることも似てきてしまうのか?

 ・介護の鬼
わからない。
介護ってわからないけど
人を残酷にするのは人ってこと。
人って怖い。

 ・予期せぬ訪問者
思わぬことで愛人を殺してしまう。
あとかたずけがなかなかできない面倒くさい話。

 ・木下闇
幼い頃に行方不明になった妹に
呼ばれるようにやってきた元々暮らしていた田舎町。
さて、妹はどこにいるのか。
フラッシュバックによる幽霊の主張。

 ・しんちゃんの自転車
身近な人が死んだら
こうやって気軽に出てきてくれると
嬉しいじゃないか。
そして、悲しいじゃないか。
どうしてしんちゃんは出て来れたんだろう?




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荻原浩 僕たちの戦争

”根拠なしポジティブ”の現代フリーターと昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れ替わった!それぞれの境遇に順応しつつも、ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。おもしろくてやがて切ない、愛と青春の戦争小説。
荻原浩 僕たちの戦争



これ知っている。
読み始めてすぐに察知。
そう、これドラマで見たことある。
森山未来くんが健太&吾一だった。
見たドラマの内容もわりとすぐに忘れてしまうので
できるだけ初見なつもりで読んでみましたが
なんだかよく覚えていたのは
お話がすごくよくできていたからだと思う。
そして、飽きることなく読み進められてしまうのは
荻原さんのもったいつけないドラマ感が
とっても読みやすいからじゃないかと。

同時にタイムトリップしてしまう健太と吾一。
現代と戦争時代を生きる若者が
普通に思うであろう感覚を持ったまま
それぞれの役割を
入れ替わった時代の中で
代わりに果たしていくこととなるってお話。

なんなら「昔はよかった」「現代は便利でよい」と
なにか簡単な結論を出してしまいそうなことに
「なんでも結論があると思っているでしょ?本当にそう?」
と問われているような
新しい角度から見せてくれる
そんなかんじがおもしろい。

過去にトリップした健太が
欲しくてたまらないのは
きんきんに冷えたコーラ。
1.5リットルのボトルをがぶ飲みしたいと
自販機を探すが小銭をもっていないことに気がつく。
その後、もっと大変なことに気がつくけど
そのがっかり感がすごいしみる。

未来にトリップした吾一は
見えるもの全ての物に最初は目を丸くしたけど
そんなものにはすぐに慣れてしまう。
そして、
多過ぎる物質と欲と音と光の世界
謙虚も羞恥も謙譲も規範も安息もないと
命を捨てて守ろうとしている国の未来に呆然としてしまう。
それはそれは気も狂わんばかりだろう。

そんなこんな失敗を繰り返しながらも
みるみるうちに順応し、成長していく彼ら。
若さって切ないけどたくましい。
戦争がいいとか悪いとか
現代がいいとか悪いとか
そこじゃなくって
どの時代にも
色んな人がいて色んなことを考えている。
正しいとか正しくないとかでなく
その多様性を受け入れ、自分はどう生きるか?
責任もって考えられるのはそこだけなのかなと。


昨今のニュースで
「クロマグロ漁の国際取引を禁止しよう」と言っている人と
「それ食べたいから規制しないで」と言っている人がいた。
多数決で「規制はしないでおこう」ってことになったようで
「よかったよかった」と笑ってる様子がテレビを賑わしていましたが
本当に笑えるのかな?と、ちょっぴり思うのです。
私もマグロ大好き。
ぜひともクロマグロを食べ続けていきたいと
思っているアジア人のひとりだけど
これを「多数決で決めること」としちゃってよかったのかなと。
捕鯨も然り。
各国にはそれぞれの食文化ってものがあり、
それが「ジャパニーズ寿司」なんつって受け入れられる場合もあるけど
「生ものはちょっと…」と臭い顔をされる時もあるだろう。
そもそもの
この世に食文化が違う人たちが
沢山いるって知ってるであろう人たちが
それこそなにかしらの力をもって
制約しよう!多数決しちゃおう!
と考えるってことが
正しいのかどうかってことを
まずは考えるべきなのではないかとね。
これと乱獲とはまた別の問題。
今「よかった」と言っているおじさまたちには
これからも末永く安心してクロマグロが食せるよう
みんなと仲良く
知恵を絞っていってもらいたいと願ってやまない。

文化の多様性。
場合によっちゃ戦争になっちゃうからね。
国のために戦うか戦わないかの2択にならないように
話をしていきましょうということです。

まじめだな。テヘ。

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tag : 荻原浩 僕たちの戦争

荻原浩 あの日にドライブ


人生の交差点、曲がり直したいと思いませんか?

牧村伸郎43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままらない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせはじめるのだが…。
荻原浩 あの日にドライブ



理不尽な理由で銀行をリストラされた男が
思う存分に「たられば」を繰り返す
実に美しくないお話。
過去の栄光とやらを甘く甘く
美化できる才能が素晴らしい。
全ては「人のせい」的なところがあり
読んでいて、少し不愉快な気分になる。
それが狙いなのか?

誇りをもって仕事をするのは
なかなか難しいと思う。
本当に本当に難しいと思う。
もし、そういうことを言う人がいたら
ちょっと無理してない?と
まっすぐに信じてあげられないと思う。
どっか大変な思いしてるでしょ?と。
一度ならずとも辞めたいと思ったでしょ?と。
でも、本当に信念をもって仕事してる人が
どこかにはいるとも思う。
なかなか受け入れられないのは
私の妬み嫉みに違いない。
そして、それを求めることが怖いのも。

伸郎は
元同僚が左遷されたのを目撃する。
元上司がグダグダになっているのを目撃する。
元彼女が離婚し、甥っ子に大人の意地悪をしたのを目撃する。

偶然が重なり
過去のかかわった人たちの不機嫌な場面を見る事で
どこか溜飲を下げていく。
この流れに、なんとも居心地の悪い気持ちにさせられる。
人の傲慢さを感じる。
一般的な人たちもそういう感想をもつもんなのか
私のこの印象が、物語に添っているかとっても自信がもてない。

まさかありえないとわかっちゃいるけど
「やり直せたら」と思い描いていた
甘い妄想が目の前で崩れ、
はじめて自分の現実が受け入れられるという
あきらめ?すっきり感?が傲慢に思えるのかな。

しかし
私は全くすっきりしないぞ!
私には曲がり直したい交差点はない。
後悔することがないということではなく
やり直すべきような交差点を思い出すことすら嫌なのだ。
そんな嫌な過去をやり直すくらいなら
新しい展開を期待したい。
ま、やり直せるどころか選べるほどの道程もなかった。
そのほとんどが「やむを得ず」的な納得というのが本当のところだけど。
忘却は生きる術だよ、伸郎くん。

だので、おじさんの気持ち全く理解できず
しかし、
現実的な仕事に挑む気持ち消沈なのは
身に染みてくる不思議。

通勤電車で読むには
あまりにも苦しく
あまりにも辛く
ただでさえないやる気が
マイナス方向に増殖させられてしまうという
ずいぶんと悩ましい本だった。

がんばれ私!負けるな自分!!


以上



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tag : 荻原浩 あの日にドライブ

荻原浩 コールドゲーム


高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮かび上がる。4年前、クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと広吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが―。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終わらない夏休みを描く青春ミステリ。
荻原浩 コールドゲーム



また、荻原浩さんを読んだ。
これは、ちょっと色が違う。
最初はそうとわからなかった事件が
イジメの復讐劇だとわかり
なんとか被害を食い止めようと
昔のクラスメートと奔走する若者たち。
ん~お若い!暇!とか思う前に
目の前の知人友人を襲う命に関わる事件。
それを詳しく語れない、警察に届けない理由が
自分たちこそがイジメの加害者だったいう後ろ暗い過去って…
んな~っありえん!
目には目をのハムラビ的な考えを受け入れてるってこと?
なんてことを考えてたら
ラストまでいけません。

イジメた側にっとったら
大人に近づくごとにどこか忘れてしまいたい記憶に過ぎない過去。
でも、イジメられた者はいつまでもその過去に囚われ
ついぞは「復讐」のためだけに生きており、
成長と共に完璧な復讐計画を立てられると。
そして、その完璧さに怯えて…
弱い!弱過ぎる!がんばれ!もっとがんばれ?あれ?イジメ?

そして、それを知った両親が次から次へと計画を…
って、え?
大人が高校生を襲えば
それってイジメの復讐ってより、ただの犯罪じゃない?
大義名分さえあれば力が出るってのはわかるが、わかるけどね、
つまりこれは「息子の敵」ってとこなんだろう。
親の敵!ってのはありな気がするけどね
子供の敵!ってのはどうなのでしょうか。
さらに
死なれないとわからなかった訳じゃなかろうに
その前に自分の子供をさ、そんな風にする前になにかね…
という反省っていうか、他人に目を向ける前になんかさ…
子供の世界に親が入ってくる興ざめ感あり。


私の理解力がないのか?
なにか勘違いしているのか?
と思うほど
広吉ご両親の救いようのない設定に違和感。
ちょっといっちゃってる母親ってのは
もはや復讐でもなんでもないっていうか
なんだか後出しすぎて、ずるいっていうか。
もう、その大人自体にイライラしちゃったら

それはもう私が大人サイドだから?
若人の後先考えず突っ走れるそれに共感できないからなのかな。
もしくは
人の親ではないから子を思う親の気持ちが理解できないのかな。
しかし、なんとも座りが悪い気分になりまして。

悪い子はいね~かぁ~
イジメをすると5年後に大人が襲ってくぞぉ~!
というなまはげ的なね、なんかそんなかんじなのかな。
そして映画「告発の行方」を思い起こさせる傍観者という共犯。

成長期の中途半端な男子のモヤモヤと
血とか出るバイオレンスな話自体、苦手なんだろうと思う。
そして、私だけの変な期待、
荻原ワールドのアイツ的存在が見当たらず
それが、ちょっと残念だったな。

でもこれだけは言っておこう。
イジメかっこ悪い。

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tag : 荻原浩 コールドゲーム

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気ままな読書が趣味の怠惰な会社員です。雑食系。

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