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凍える牙 乃南アサ


深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていた…。女性刑事の孤独な戦いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。凍える牙 乃南アサ


炎上事件に継ぎ、獣による咬殺事件。
立川中央署に設置された特別捜査本部の中では
貴子に対し「女」というだけで流れる嘲笑の空気。
相方の滝沢は不機嫌な態度を隠さず
皇帝ペンギンのような後ろ姿を見せるだけで
貴子を無視したまま捜査を進める。
ため息。

人を襲った獣は
歯形の大きさ力の強さ、足跡から
犬とオオカミの血が入った
オオカミ犬ではないかと推測される。
被害者がつながりはじめ
決して闇雲ではなく狙いを定めた犯行、
そこには人を襲うための高度な訓練、
背後にいる「飼い主」の存在が浮き出てくる。
そして、警察犬の訓練士に旗が立つ。

貴子は夫の不倫により離婚をしている。
滝沢も3人の子供を残して、妻に逃げられている。
警察という現場で必死に働いた結果
家族を顧みなかった罪悪感を知るふたりは
徐々に信頼関係を築いていくようになる。
そして突き詰めた警察犬の訓練士、高木。
その男も
悲しいほどに警察の事情にまみれていた。

高木の娘は17歳の時、シャブ中で病院に運び込まれた。
ひどくなる娘の非行に
これ以上、警察にはいれないと退職を決意する高木。
仕事のために家庭を犠牲にしてきたせいだと
自分を責め悩み
精神障害が残る娘に寄り添い生きてきた。
娘(笑子)26歳。
徐々に回復する娘が話すようになり
出てきた昔の仲間たちの名前。
高木は娘を陥れたその人々に復讐を果たそうと
オオカミ犬の訓練はじめる。
その名は「疾風」。

オオカミ犬が飼い主に寄せる絶対的な信頼。
強烈な存在感。威厳、気品、知性。
高い身体能力と意思をもつ、誇り高き生き物。
貴子は知れば知るほどにオオカミ犬
疾風に魅入られていく。
特捜隊の中でもトカゲと呼ばれる特殊任務につく貴子。

女性蔑視の職場での特殊任務のプレッシャー。
仕事により失った結婚生活と心配性な母親
妹の不倫、自殺未遂まで起こすが
話を聞くことも駆けつけてやることも
何もしてあげることができない…
なにもかもが仕事中心の生活。
そして、体力の限界。
なにかを見失いそうになりながらも
疾風をひとりバイクで追うこととなる貴子。

そして現れた疾風。
そこにいたのは見まごうことなくオオカミ犬の
凛々しい疾風だった。
逃げる疾風をバイクで追う…から
どこかに向かう疾風についていくように
ふたりで自由に走ることの爽快感を味わう。
思わず貴子が転倒し、あわや見失うかと思われたその時!
そして疾風のラスト・・・!

家や家族を失っても
目的を見失わず、孤独に耐え
ただひたすらに使命を果たすオオカミ犬。
飼い主を信じ抜き、自分を信じ抜く魂の崇高さ。
美しい。とても美しい疾風。
人を信じることをやめ
目的も見失いそうになりながらも
任務を果たす貴子。
氷となった心が溶けていくような
美しくも哀しい話だった。

が、しかし。
犬!!!
わかっていたはず。
犬が疑わないことを。
知っていたはず。
犬が裏切らないということを。
利口な犬だけに
その哀しみさえ理解していたのではないかと思う。
動物は人間の言葉を理解しても話すことはできない。
もし疾風が口をきくことができたら
なんと言いたかったか。
それでもやっぱり何も言わなかったかな。
疾風の瞳が目に浮かび、胸が痛くなる。
犬は愛らしく哀らしい。

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乃南アサ 幸福な朝食

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女優を目指して上京した少女は、運命の悪戯に全ての夢を打ち砕かれ、孤独のうちに歳月を過ごしてきた。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶け始める。……なぜ忘れていたのだろう。あの夏から、私は妊娠しているのだ。そう、何年も、何年も、この子は待っていてくれたのよ……。濃密な心理描写が絶賛された直木賞作家のデビュー作。
乃南アサ 幸福な朝食



諦め、略奪、堕胎、友達の妊娠と死…
生きる術として、男と関わることをやめられない脆弱な志穂子。
友人弓子の死は、どうして事件化されなかったのか。
夢が叶わなかったのは本当に他人のせいなのか。
出てくる女性が皆、男を見つければ万事解決ってタイプの女性像。
しかし、それは本意じゃないみたいな言い訳とわりきったふりが
品を悪くし、美しさを感じさせないなんとも居心地が悪い話。
それ以上でもなくそれ以下でもなく。
もっと主体的に生きろよ。
テンションは自力で上げろよ。

この作家は、あんまりタイプじゃないな、たぶん。



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genre : 本・雑誌

tag : 乃南アサ 幸福な朝食

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